開業をする上で、重要となるのが物件選び、立地の選定です。
出店する場所を間違えると、新規のお客様の来店につなげにくいといったことがおきてしまいます。
一度契約をしてしまうと、その後売上があがらないから場所を変えたくてもすぐに変更をすることは難しいため
店舗の立地選びは慎重におこなうようにしましょう。
今回は物件選びの中で重要となるポイントについて紹介をさせていただきます。
失敗しない賃貸物件選びのポイント
- 見た目より立地を重視する。
- 商圏分析
- 家賃と予算
- コンセプトにあったターゲット層がいるか調査する
- 人口、年齢層、世帯規模の調査
- 曜日別と時間別の人流の調査
- 周辺の商業施設の有無・利用者の年齢層
- 今後の地域の開発予定
- 近隣の競合店の状況
- 広さや設備
- 治安
- 地域への思い
- 物件のチェック
見た目より立地を重視する。
お店の外観も大切なポイントになりますが、それ以上に立地が一番大切です。
決めるときは、一番に立地で判断をするようにしてください。
良い立地の条件として
- ターゲットにしている見込み客がよく歩いている、集まっている場所
- 競合があまりいない、少ない
- わかりやすい位置にあるか
これら全ての条件を満たしているのは難しいかもしれませんが、なるべくこの条件に合った立地をみつけるようにしてください。
競合がいる場合は、競合より優位性の高い戦略をもって望めば充分に勝ちの目あります。
商圏分析
商圏分析を行って決めるようにしましょう
商圏分析は顧客が店を意識して来店してくれる範囲のことをいいます。
この範囲の中できてくれる顧客数が少ない場合、集客に苦戦をする可能性が高くなります。
立地判断をするときには商圏の調査も行うようにしましょう
コンセプトにあったターゲット層が来店してくれるのか
開業をするとき一番に決めることはコンセプトになりますが、あなたの店のコンセプトは出店する店の地域にいる人が多くいる地域ですか?
若者を狙った店のコンセプトにしても住んでいる住民の層が異なっていると、集客に苦戦をすることになりまうす。この点も含めて調査をするようにしてください。
ターゲットは大きく分けると
休日にくるタイプ、地域の住民タイプ。会社・学校帰りの通勤タイプの3つにわかれるため
自分の出店する地域がどのタイプの人間が来る可能性が高いのか考えまそおう
人口は多いのか、年齢層、世帯規模はどれくらいか
前述とかぶる部分もありますが
出店したい地域の人口から、世帯規模、年齢規模も知らべておくようにしましょう。
曜日別と時間別の人流の調査
出店する地域の方に聞くというのも手段の一つになりますが
お店を通る人を曜日別に調査を行ってください。
可能なら、曜日以外にも雨の日もどうなるか確認を行うといいでしょう。
人通り、人の流れや導線を確認するのも忘れないようにしてください。
周辺の商業施設の有無・利用者の年齢層
周辺に大きな商業施設があるのか確認し、ある場合はその年齢層も見ておきましょう。
あなたのお店への影響度が高くなるため、この周辺の商業施設の年齢層にあったものにコンセプトを切り替えるというのも方法としてはありです。
今後の地域の開発予定
見落としがちな点として
今後の地域で別に大きな開発予定のものがないかもリサーチしておいてください。
これは地域に大型の商業施設ができることで人流が大きく変わるということがあります。
わかりやすい例だと、地域の商店街が大型の商業施設の登場により過疎化してしまった事例などをみるとわかりやすいですよね。
近隣の競合店の状況
近くに同じジャンルの店があるなら、その店はの状況がどうなのか調べておくといいでしょう。
立地が良い場所にある店舗でも、あまり人が入らないなんてケースもあります。
その店舗がなぜそうなっているのかなども見ておきたいポイントです。
広さや設備
内見の際に一緒に確認するべきポイントにもなりますが
検討している物件の設備には何があって、何がたりないのか
広さは充分にあるのかなども確認にいれておきましょう。
治安
コンセプトによって治安の良し悪しは大きく左右されます。
コンセプトによって、治安の良し悪しの相性があるのでそれも判断するといいでしょう。
繁華街はイメージの通り治安はあまり良いところは多くありません。
これは店のイメージにもつながる部分にもあるので
ブランディングを大切にしたいなら、治安の良いところにするのが無難です。
地域への思い
地域密着型の店舗を目指している場合
地域への思いでその店舗への熱量が変わってくることもあります。
地域に対しての思い入れが強ければいいというわけでもありませんが
最後の地力をだすためのポイントとなるので
多少なりとも地域に対して思い入れがあったほうがいいです。
物件のチェック
- 通行人にわかりやすい場所
- 間口の広さ
- 入り口の入りやすさ
立地の分析を行い、良い立地だと判断をしたら物件のチェックを行いましょう。
1つ目は通行人が歩いていて、すぐにわかるような場所にあるかが重要です
視認性が高い物件の目安としては
50メートルほど離れていても、充分に視認をすることができるかがポイントです。
2つ目は間口の広さです。
間口が広いと通行人が気づく可能性が上がります。
50坪程度なら10メートルほどの間口があるといいでしょう。
3つ目は入り口の入りやすさです。
たまたま通りかかった人が、ちょっと気になる、入ってみたいなと思わせることができても、入り口がよくわからなかったり、ちょっと怪しくて入りにくいと思わせてしまったら
顧客の取りこぼしになってしまいます。
なるべく気軽に通行人が気軽に入れるように意識をするといいでしょう
賃貸物件の種類
- 路面店
- 空中店舗
- スケルトン物件
- 居抜き物件
- マンションの一室
- ロードサイド型店舗
路面店
路面店は人通りの多い商店街や駅前などの1階にあるお店のことをいいます。
人通りが多くある程度の母数の期待ができる好立地ということから人気があります。
注意点としては、あなたのお店のコンセプトやお店の業種に合った層の人が通らなければ意味がありません。
その他にも路面店は競争率が高く、路面店がなかなか見つからない可能性も高いです。
ちょうどいいタイミングで空き店舗が見つかることもあります。ですがその場で決断はせずに、空きになった店舗の経緯など調べてから決めるようにしてください。
メリット
- 集客しやすい
- 新規の人も入りやすい
- 物販から飲食まだ幅広い業種と相性が良い
- 安心感が高い
- 飛び込みでくるお客様の期待ができる
デメリット
- 家賃・保証金が高い
- 売上が立たない時、維持するのが難しい
空中店舗
空中店舗は、雑居ビル、オフィスビルの2階以上の店舗のことをいいます。ビルなどの看板の見えやすさや、設置ができるのか、店舗には行きやすいか、エレベーターはあるのか、清潔感などの確認
他の階で入っているテナントはどんなお店なのかなど確認をするようにしましょう。
メリット
- コストを抑えやすい
デメリット
- お客様が気づけない可能性がある
- どんな店舗なのかが伝わりにくい
スケルトン物件
スケルトン物件は内装も設備もない物件で、躯体躯体のみの物件のことをいいます
インフラ設備がどうなっているか確認を行い、業務に問題がないかの確認
その他にも解約をした際の退去のときに、現状回復をさせる必要があるのか、その時にはどれくらいの金額がかかってしまうのか等も確認し考慮したうえで判断をしてください。
メリット
- 自分の思った通りの店を作れる
- 設備が新しい・新品
デメリット
- インフラ系は全て準備する必要がある
- 始めるのに時間がかかる
- 転居の際に費用が掛かる可能性がある
居抜き物件
前のテナントが同じ業種だった場合、そのまま設備が残っていることから使用することができる物件
ここの注意点としては、前のオーナーはなぜ手放すのかということを考える必要があります。
うまくいかない結果なのか、業務拡大をするためなのかという理由で意味が大きく変わってきます。
メリット
- 経費を大幅に節約することができる
- 備品がそろっているため開業がすぐにできる
デメリット
- 前の店のイメージがでてしまう
- 備品の故障の可能性がある
マンションの一室
店を開業することができる、マンションのことをいいます。マンションによっては騒音やセキュリティの問題から許可がおりない可能性もあるため大家さんと目的やどんな業務を行うか等を説明する必要があります。
メリット
- 初期費用・コストを抑えることができる
- 会員制などに向いている
デメリット
- 業種によっては許可がおりない
- 看板が出せない可能性が高い
- 集客しにくい
- 該当の物件数が少ない
ロードサイド型店舗
ローサイド型店舗は交通量が多くある、幹線道路沿いにある店のことをいいます。
ローサイド型店舗を検討している場合は駐車場が重要となり車が入りやすいか、視認性が高いかなどにポイントにして選ぶようにしてください。
メリット
- 駅から遠くても集客できる
- 坪単価が安い傾向
- 1日を通しての集客がしやすい
デメリット
- 店舗面積が広くなる傾向にあるため管理費のコストがかかる
- メンテナンスコストがかかる
- 駅から遠い距離になる傾向
フリーレントについて
決まった物件に対して、少しでも初期費用を抑えるためにフリーレントをするのがおすすめです。
フリーレントができないということもあるため。フリーレントの交渉等についてはこちらで解説をさせていただきます。
物件の契約をするときに必要になる相場感と必要資金については別ページで解説します。
業態別おすすめの立地
飲食店のおすすめ立地
飲食店の開業やカフェの開業におすすめの立地は
駅からの帰宅をする方が多い道や商店街やスーパーなど地元の利用者が多く集まる場所の近くがおすすめです。
ターゲットにしているのが社会人ならオフィスエリアから駅までのエリアにしぼりましょう。
ただしこの狙いの場合、競合となる店舗も非常に多くなるため
ある程度の競合との差別化を狙って出店をする必要があります。
居酒屋のおすすめ立地
居酒屋の開業やバーの開業するうえでの立地も飲食店の考え方と大まかには変わりませんが
なるべくベッドタウンに近い方向を意識して、立地を意識してください。
帰宅中にふらっと寄りたい場合、反対側にある店舗だと足が遠のいてしまうためです。
整体院のおすすめ立地
整体院の開業の場合重要となる考えが
いかに地元住民にきてもらえるようになるかです。
そのため地元住民が認識をしやすいように、駅前やスーパー等ひとが集まりやすい場所に立地を意識するようにしましょう。
また高齢者もターゲットにしたい場合は、2階や地下などの階段をつかわなければならないとことはなるべく避けるようにしましょう。少なくとも階段を使わなければならない場合はエレベーターの有り無しの物件なのかも確認してください。
美容院のおすすめ立地
美容院の場合も、整体院と意識することは同様です。
ただしターゲットがOLやサラリーマンをターゲットにするなら、オフィスの近く、帰り道にある、夜遅くまでやっているということもポイントとなるでしょう。
これは整体院でもターゲットがサラリーマンなら同様の考えですね。
小売店のおすすめ立地
小売店の開業の場合は、日常品を購入する層がターゲットとなり
なるべく多くの人にお店をみてもらえるように視認性のあること、1階で間口も広い物件がおすすめです。
ス-パーの近くなら近隣住民の人にも認知されやすくなるのもポイントです。
なるべく商業施設が多くあるエリアを意識して出店すると集客がしやすくなります。
内見のポイント
内見前に準備すること
内見に行くことが決まったら、内見前に間取りの図面の紙を忘れないようにしましょう。
幅や高さなど図面だけでは見えないところがでてくると思うので、メモできる準備といつでも幅を図れるようにメジャーも用意しましょう。
日差しも気になる場合は方位磁石等もあるといいですね
その場で決めるとうことはあまりないとは思いますが、今決めないといけないということがあるようでしたら印鑑も念のために持参しておいてください。
賃貸物件の内見時に見ておくべきポイント
設備
- コンセントの数や位置
- 高さや奥行き
- そろえる備品の設置可否の確認
- 備品を配置しても支障がないか
環境面
- 来店しやすい雰囲気か
- 外は人が歩いてるか
- 歩いている人の年齢層・街の雰囲気
- 道中までわかりやすいところにあるか
- 空調・換気・日当たりの状況
- 下水や排水溝など嫌な匂いはしないか
- 周りの店や部屋はうるさくないか
- 通信環境に問題はないか
- 駅までの距離・アクセスのしやすさ
お店を開業した時のイメージをもつ
この他に内見時に実際にこの物件でお店を開業したとき
どんな風にお店を開くことができそうか
なるべく具体的にイメージをしてみてください。
そのイメージとぴったりなのか、ぴったりじゃないならどの部分がネックなのか等プロの方と相談しながら別の物件も検討するといいでしょう。
物件がないと融資が受けられない
お店を開業するにあたり
1000万円前後のお金を集める必要になります。
それにあたり自分の資金(自己資金)だけでまかなえるならいいのですが
どうしても足りないということがあり
その際に融資をうけるという手段があります。
多くの方が融資をうけるために事業計画を作成し融資をうけるのですが、その時に開業する物件の情報が必要となります。
物件がないと融資をうけることができないため、なるべく早く融資を受けたいというか方は、まずは物件を確定させる必要があります。
これは内装工事代金を調達するためにも必要なことになるので、スケジュール感等決まっている場合はそれに合わせて物件を確定させましょう。
まとめ
今回は物件選びをする上でポイントとして抑えておきたいことについて紹介をさせていただきました。
一つの影響で開業してからの運営方針が変わってしまうほどに物件選びは重要なものとなります。
店舗開業の成功の第一歩となる選定になるので
なるべくプロと相談しながら確実に良い店舗を選ぶようにしてください。