開業・経営

整体院の開業の仕方|準備に必要なものと資格、失敗しないためのポイント

整体院開業

整体師として開業をしたいと思ったとき、どんな資格が必要なのか、開業のためにはどんなことをするべきなのかとわからなくなることがありますよね。
今回は整体師の開業を決意した方向けに紹介をさせていただきます。

整体院の開業の流れ

  • コンセプトを決める
  • 店舗をだす物件を決める
  • 開業資金の調達
  • 開業の手続き
  • 集客準備

整体院を開業するために大きく分けてこの4つの事項が流れとなります。

コンセプトを決める

整体院の開業を決意したら、どんなお客様に来てほしい整体院なのか。施術の価格帯、整体院の店内雰囲気などなるべく具体的に確定させましょう。
ターゲットにするお客様を決める、店内の雰囲気とそのお客様のニーズがマッチしているのか
価格帯はマッチするのか等、なるべく多くの確度から考えるようにしましょう。
コンセプトによって、マニアックすぎるコンセプトだとまったくお客様がこなくなる可能性もあるので、お金をたくさん稼ぎたいという方はその点も収益をだすポイントも抑えておきましょう。

店の名前についても、よく見かける名前にしてしまうと他の整体院との差別化も図りにくいのでコンセプトにあった覚えやすくて他の整体院がつかっていない店名にすることがおすすめです。

店舗物件を決める

コンセプトが決まったら、出店したい地域の物件をさがしましょう。
物件の家賃が安くても、あまり人が歩かない地域だとお客さんがまったくこなくてすぐに閉店になってしまうなんてこともあるため
物件探しはなるべく慎重に行いましょう。物件探しはなるべくプロに相談をしながら進めていくのがおすすめです

開業資金の調達

自己資金が足りない場合、コンセプトや物件探しと一緒に開業資金の調達もしておくようにしましょう。
融資を受ける場合、事業計画書等の作成を行い自治体の創業融資を活用することで資金調達をすることができます。

開業の手続き

整体院を開業する場合、特別な資格の必要はなく、整体ができるという技術さえあれば開業することが可能です。

開業届けの提出

開業届けの提出は、開業する地域の管轄の税務署に提出を行います。
開業したあとに提出をしても特に罰則等はなく確定申告を行えば問題がありません。
その他飲食店の開業では必要となる保険所への提出等の必要もなく比較的、提出の手続きは簡単です。

集客準備

開業したら、何もしなくてもお客様は来院してくれるなんてことは、ほぼありえません。
開業する前に事前にお客様を集客するための方法を考えておいてください。
例えばWEB広告を活用して来院に誘導したり、ホットペッパーに掲載を行い、新規のオープニング割引を行いなるべくたくさんのお客様がくるように訴求するキャンペーンの強化も行ってください。

一度新規できてもらってからは、その後も継続して来院してくれるようにリピート施策も忘れずに行ってくださいね

整体院の開業に必要な費用について

整体院の開業に必要な資金は開業する場所によって大きく差がでます。
最もコストを抑えて開業をしたいという場合は自宅のスペースで開業をすることで10万円程度で開業をすることもできますが、多くのお客様を集客したいと考えている方には向いていません。

開業する地域や物件の広さにも異なりますが。開業するための資金としては200万円前後は最低でも用意するといいでしょう。その他集客するための費用や看板広告、雑誌掲載等も考える場合は1000万円程度あるとできることの幅が広がります。
その他内装もこだわりたいという方もいるため一概にこの金額を用意すれば安心ということが言い切れない形となります。

低コストで開業をするなら

低コストで開業をしたい場合は、前述したとおり自宅で開業をすることが最もコストを抑えられますが
自宅の開業はそれ以上にデメリット面が大きいため、レンタルサロン等の時間貸しのスペースをつかって開業をすることで家賃費用をおさせることができます。
その他だと、以前整体院をやっていたけでお閉店するお店を貸してもらうことができるというレアなケースもありますが多く存在するわけではないのでレンタルスペースが現実的となります。

開業で用意するもの

  • ホームページ
  • チラシ
  • 来院カード
  • カルテ
  • ベッド(枕)
  • タオル
  • エアコン
  • 受付ディスク
  • パソコン
  • 待合室用の椅子等

開業するためには、最低限用意をするものは上記の通りとなります。
特にホームページの制作は手を抜かずSEOからしっかりと戦略設計をして作成をするようにしてください。
デザインがいかに素晴らしくてもSEOが全くできていないと、あなたのお店の名前を検索してもまったく表示されないなんてことがあります。
前述で記載もしましたがお店の名前はSEOの観点からも、まだ誰も使用していないあなたのお店独自の名前にするようにしてください。
そうすると比較的簡単にあなたのお店を検索すればすぐに検索で上位に表示されるようになります。

ホームページ以外にも、お客様が来院してくれた際に安心してリラックスできる空間をつくるためにベッドや椅子など費用も気にしながらもしっかりとした質の良いものを選ぶといいでしょう。
その他お客様を管理するための来院カードやカルテ、それらを管理する棚などしっかりと準備をするようにしてください。

この整体院はしっかりしているところだ、清潔感がある、と思わせるのが重要です。

整体師が行う施術

整体師の役割としては、骨格の歪みなどの矯正や体の不調の改善を行います。
ここ数年ではストレッチに特化をした整体院が人気の傾向にあります。患者側が受けたい施術でも運動指導は非常に人気のメニューとなり、運動指導を取り入れる整体院は増えています。

整体師は慰安目的の施術になるため、マッサージや指圧、脱臼等の施術の対応を行うことはできません。
マッサージやあん摩・指圧と似たようなものだと思うかもしれませんが、指圧は静脈に沿って行い、マッサージは動脈に沿う等があり医療的根拠があって施術を行う形となります。
脱臼や打撲などの怪我の部類に入るものは法的に国家資格をもつ柔道整復師の独占業務となり、このような怪我の方がきた場合は病院の受診をすすめるようにしてください。

整体師が行える施術の具体例

  • 痛みを感じない程度の施術
  • カイロプラクティック

整体師が行える施術の具体例について解説をします。

痛みを感じない程度の施術

整体師の施術者はあん摩マッサージ指圧をしてはいけませんが、厚生労働省から下記のような形で判別がされています

施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ばし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。

平成15年11月18日付
厚生労働省医政局医事課長の回答(長崎県福祉保健部長の問い合わせに対して)

カイロプラクティック

カイロプラクティックは脊髄に特化した施術となり、脊髄のゆがみの矯正を行い痛みの軽減と改善と自然りう力を高める施術となり整体とは異なります。またカイロプラクティックは指圧には含まれず、厚生省から下記のように回答がされています。

カイロプラクチック療法は、脊椎の調整を目的とする点において、あん摩、マッサージ又は指圧と区別され、したがって、あん摩、マッサージ又は指圧に含まれないものと解する

厚生省医務局長あて宮城県衛生部長照会

あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師との違い

一般の方にとって、整体師とあん摩師は混同しやすいですが
最も大きな違いとしては、あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師は国家資格となり。整体師は国家資格ではないことが挙げられます。
日本標準職業分類ではその他の保険医療従事者に分類がされ、整体師の場合「他に分類されないその他のサービスの職業となります。

まとめると、整体師は保険適用外ということです。

整体師がやってはいけない施術

  • 骨折や脱臼等の矯正をする施術
  • 整骨
  • 接骨
  • マッサージ

上記に記載した施術は整体師では施術を行うことはできません。
そのため、整体院の開業をした場合、屋号にマッサージや整骨といった文字を使うことはNGとなります。

必要な資格について

整体院をするうえで必須となる資格はありませんが、あると役に立つ資格があります。

役に立つおすすめの資格

  • あんまマッサージ指圧師
  • 一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会認定整体師
  • 鍼灸師
  • 柔道整復師
  • アスレティックトレーナー
  • カイロプラクティック
  • オステオパシー

整体に関わる民間資格は種類が多くあり、資格を取得したいと思った場合は、どんな分野にするかある程度決めて取得を目指す必要があります。

あんまマッサージ指圧師

少し時間をかけても取得がおすすめなのは、あんま・マッサージ指圧師の資格です。
この資格をもつと屋号にマッサージという記載を行うことができ健康保険適用のマッサージをすることができます。
整体院は無資格で施術をする方も多いため、この資格をもつだけでも大きなアドバンテージとなります。
国家資格となるため、お客様にとっても安心感をえられやすいというメリットがありますが
デメリットとして
専門学校に通う必要や、取得するための費用としても200万円ほどの金額が必要となるのがデメリットです。

ですが今後将来の事を考え、ずっと、整体師とした活動をおこなっていくなら取得して損はない資格となります。

一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会認定整体師

民間資格の中で、取得するのにおすすめな資格として
信頼性の高い資格がこの一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会認定整体師になります。
この協会では骨格調整と筋肉調整のアプローチを軸としてレベルの高い整体技術の指導をおおないます。
提携サロンも200店舗以上あり開業支援も充実してるので、これから開業を検討している方は是非検討をしてみてください。
この他にもサロン以外にも医療や介護でも活躍するために取得する人もいます。

鍼灸師

はり師ときゅう師の技術を習得することで取得することができる国家資格になります。
鍼灸師も国家資格となるため資格を取得するために3年制か4年制の養成学校に通い試験に合格する必要があります。この資格を取得すれば整体師以外にもリハビリ医学や幅広い知識を得るため、整体院をやっていくうえで非常に役に立つ資格になります。
もちろんこの資格があれば保険診療も行うことができます。

柔道整復師

柔道整復師も国家資格となり。養成学校に通い試験を受け合格をする必要がありますが。鍼灸師と同様に保険診療を行えるメリットから、柔道整復師の場合体の不調の改善をするためのリハビリ医学から解剖学まで幅広い分野をカバーできる人材となれるため、取得ができるならもっていて損するということはありません。

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーは大型遊具のアスレティックを使うというわけではなく、スポーツドクターやコーチと協力しスポーツ選手のサポートをする人のことをいいます。
スポーツによる怪我の予防から救急措置、リハビリまで幅広くあり、資格としては日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーかジャパン・アスレティック・トレーナーズ協会認定アスレティック・トレーナーから取得をすることができます。
アスレティックトレーナーは人の構造や機能。トレーニング理論まで幅広い知識をもっているため
学生やスポーツ選手向けの整体院を開きたいと思う場合は取得しておくのがおすすめです。

カイロプラクティック

カイロプロくティックは日本でも有名な資格となり
整体院を開くならもっていおきたい資格の一つです。
カイロプラクターの資格は特になく。技術があると示すためにJCR試験受験資格プログラムを試験を受け、登録カイロプラクターを目指すこともできます。

オステオパシー

骨格や循環機能、脳神経、解剖学など幅広い医学知識をベースに体の改善を行うネステオパシ-は
米国では国家資格となり。西洋帷幄の意思と同じ医療行為が認められているほどえです。
幅広い技術と知識を使い、筋肉や関節の可動域の改善を図ります。
体をあるべき姿にすることも目標にしていてカイロプラクティックや整体とはまた異なるものになります
日本では民間資格になります。

国家資格はありませんが、養成スクールなどでスキルをしっかり身につける必要となります。

整体院を失敗する原因

整体院を開業したいのに人がこなくて、閉店をすぐにしてしまうという整体院は少なくありません。
整体院を開業して失敗する原因について把握することで、失敗するリスクを減らることができるのでまずはその原因からみていきましょう

コンセプトが曖昧

集客をするうえでコンセプトがしっかりしていない整体院はお客様を遠ざけてしまう可能性がたかくなります。
この整体院に行く場合は何が良いのか、何を得意としている整体院なのか
お客様はなにか体の不調で悩んで来院をします。この整体院は〇〇が得意とのことだから行ってみようかな、、と思わせることが重要です。
あれも、これもできるのは当然ではありますが、その中でも何が得意なのか他の整体院の何がちがうのかというウィークポイントをもつことが重要です。
差別化と独自性を意識したコンセプト設計にしましょう。

施術の技術不足

新規のお客様がくるようになってもそれだけがゴールではありません。
次回もきてくれるようにリピーター施策をする必要もありますが、それ以前にあなたの整体院に来てよかった
施術を受けたことで腰痛等、体の不調が改善されたと思わせることができなければ
また来てくれるということはありません。
体の不調を治すにはあなたの院にいけば、改善する、よくなると思わせるということが非常に重要です。
そのためには技術レベルを上げてお客様に提供しましょう。

価格設定と集客人数を間違える

開業する前に価格設定と対応できる人数等の戦略設計をしっかりと練ってから開業をしましょう。
スタッフを大量にいれて開業をするというケースもありますが
仮にお客様が来なかった場合その時間は無駄なコストが発生をしてしまいます。
お客様がたくさんきても、さばききれなかったら大きな機会損失にもなります。
どの時間帯、曜日にスタッフをいれるのか。お客様への施術一回についての金額をいくらにするのか
スタッフを雇っているのであれば、適正な金額設定にしなければずっと赤字で運営をするということになりかねません。

適正価格の設定には、一ヶ月あたり最低限かかる固定費と1ヶ月あたりのお客様が来院する数を割り出しどれくらいの利益がでればいいのかを確認して設定をするといいでしょう。

集客等の戦略設計ができていない

整体院を開いたからといって、お客様が勝手にやってくることなんてほとんどありません。
新規のお客様を呼び込みをするための集客方法を明確化させましょう。
チラシ配りをすればどれくらいの人数がくるのか、WEB集客ならどれくらい期待できるのか
オフライン上で数値をだすのは難しいですがWEB集客ならある程度の数値をだすことが可能です。
またその後の新規のお客様がまた来店をするようにLINEN@を活用した集客やDM、メルマガの活用等多くの集客方法の用意をしてください。

その後集客方法が固まったら実行を行い、その集客方法が成功したか失敗したかちゃんと分析をしてください。
成功したなら、もっと集客を増やすための施策を追加し失敗したなら今回失敗した原因と改善、成功させるための施策をすぐにうちましょう。

これらの計画と実行を高速で回し、適切な集客方法を確立しましょう。

成功させるポイント

  • コンセプトとブランディングの確立させる
  • 技術力と強み・独自性をもつ
  • 顧客満足度の向上
  • 集客方法の確立
  • LTVを意識した運営

コンセプトとブランディングの確立させる

失敗する原因にも記載はしましたがコンセプトがしっかりしていない整体院は新規のお客様が入りにくい生体んになってしまいます。
そのためコンセプトをしっかりと確立させて、この整体院といえば〇〇が得意な整体院、ここの整体院のスタッフのレベルが高くて良いなどイメージをもってもらえるようにしっかりとコンセプト、ブランディングを確立させましょう。

技術力・独自性をもつ

技術力を上げることで他の整体院とはレベルが違うということをお客様に感じてもらうことができ。
施術メニューの中にあなたの整体院でしかできない独自のメニューがあればそれだけであなたの整体院に行く価値ができます。

顧客満足度の向上

技術力の向上とかぶる部分にもなりますが、お客様が満足をするために努力を努めましょう。
お客様が満足することでまたこの整体院に行きたいと思わせることができ、口コミから次のお客様にもつながりやすくなります。

どんなに忙しくても、きていただいたお客様には全て満足していただくというプロ意識をもってお客様に対応をしましょう

集客方法の確立

お客様に整体院にきてもらうには、集客するための広告費用をつかうことが必要となります。
そのため、いかに広告費用を抑えて多くのお客様に来院をしてもらえるかが鍵となるため
前述したように、実行と検証を高速で回していき、ROASの高い集客方法を確立しましょう。

LTVを意識した運営

LTVは顧客生涯価値のことをいい。1回の価格は低くてもそのあとずっと来ていただけるお客様なら将来的には1回の単価が高いお客様より価値の高いお客様となるといったものです。

何回もお客様にきてもらえるように、数回以上きたお客様への特典や、多くのキャンペーンを実施することで来院回数を増やすことができる施策をうっていきましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は整体院の開業について紹介をさせていただきました。
整体院を開業する地域や物件によってお客様の集客は大きく影響がおこるため
店舗開発から集客戦略まで得意としているプロに一度相談をすることが成功の近道になります。

開業をこれから行うという方は是非一度ご相談をしてみてください。